第12話「ヒロさんは狂人をやめます」
ベトナム語の部屋
こんにちは。ヒロさんです。
最近は気温も摂氏20度を超える日が多くなり、春本番と言う感じですね。
ヒロさんが住んでいるURの団地はとても広くて、面積が8000坪(26000平方メートル)くらい有り、敷地の中の60%くらいは歩道や公園や樹木ゾーンです。それらの通路や公園や樹木ゾーンには、桜の大木や中木が100本くらい植えて在り、地域の「桜の名所」的なものとなっています。
それらのサクラは、早咲きのものから遅咲きのものまで揃えて植えられているため、一月近くはさくらが楽しめるんです。
ヒロさんは知らなかったのですが、「団地内の桜前線」ということを考えて植栽されているということでした。
まだこれから少しの間はサクラを楽しめそうです。
ヒロさんはこの街路樹のサクラを楽しみながら、「サクラの季節が過ぎ、夏が過ぎ、コロナワクチンを接種して、秋くらいにはベトナムに行けるかな? 来年にならないと無理かなぁ」と考えています。
若い人にとっては、2年や3年くらいどうってことない時間ですが、ヒロさんのように54歳だと、2年3年は自分の人生において大きな割合を占めることになります。
でも、焦ってもしようがないので、来るべき時に備えて、今できることを一生懸命にやっておこうと気持ちを切り替えて日本で頑張っています。
ヒロさんがベトナムに行きたい理由の1つは、ベトナム語を話せるようになりたいからです。半年くらい、できれば1年くらいベトナムに住めばかなり話せるようになる自信はあります。今やっているベトナム語の勉強の総仕上げ的な意味がベトナム居住にはあるんです。
ヒロさんは最近、ベトナム語の勉強の仕方を変えました。今までは、学校で教えてもらった英語学習の仕方が抜けなくて、文法の勉強を重視した対訳方式を中心としてやっていました。従としては、文型の積み上げ方式をやっていました。
実は、この勉強法が日本人の英語を話せないことの一番の原因なんです。
ヒロさんの時代の英語の勉強は、文法を学んで、英文を日本語に翻訳することを目標としていましたので、英語の発音や会話は重視されてはいませんでした。
発音に関して言えば、逆に、英語らしい発音をすると「ふざけているか、気取っている」かとしか、周りは受け取りませんでした。
今でもそんな雰囲気がまだ沢山あるのではないでしょうか。
そのような学習環境では、絶対英語は話せるようにはなりません。
この日本にい置ける英語学習の結果、日本人の英会話力はアジアの中でも下位レベルになっているんです。
ヒロさんは、日本語教師の試験に合格しています。「教育能力」の試験なので、当然試験範囲には「教授法」も入っています。ですので外国語の教授法としては、ヒロさんのべトナム語の勉強の仕方は、「話せるようになる目的」からは大変遠回りであることを知ってはいました。
ですが、ヒロさんはおじさんなので、自分が昔からやっていた、英語の勉強の仕方を捨てられませんでした。
やり慣れた方法は安心ですし、文字を見たら訳せるようになりますし、書けるようになりますから、「自分はベトナム語ができる」と言う実感を得ることをできますので。
でもヒロさんは、今までやってきた勉強法を変える決心をしました。
ヒロさんはベトナムに行って半年いる間に、ベトナムの日本語学校でベトナム人に日本語を教えてみたいと考えています。でもヒロさんは「ペーパー日本語教師」なので、日本語教師の免許は持っていますが、実際に教えたことは一度もありません!(エッヘン)
そこで、実際に教えるために「教授法」を研究しています。
その研究をしている中で、「ヒロさん自身が自分の第二外国語学習の殻を破ならければならない!」と決意し、ヒロさんのベトナム語の勉強のやり方を変えました。
言語を話せるようになるために大事なことは、文法を理解することではなく、
話す練習をたくさんする事」 なんです。
「同じことを繰り返しながら、別な結果を求める人は狂人である」
とアインシュタインは言いました。
ヒロさんは、ベトナムの文を文法知識を使って日本語に翻訳することが上手にできるようになるために、繰り返し文法知識を覚え、慣用表現を拾い出し暗記していました。
その練習を3年間繰り返しながら、ヒロさんは「話せるようになりたい」と思っていたのです。アインシュタインに言わせれば、ヒロさんはまさに狂人です。
そこでヒロさんは、ベトナム語で話し、ベトナム語を聞く機会を増やすような勉強の仕方に変更しました。
具体的には、
ベトナムのニュースのWebサイトを見る、
YOUTUBEでベトナム人の発音を聞く、
東京外国語大学が開放している語学学習サイトで話すことと聞くことを中心に勉強する、
の3つです。
さあ。この結果がどう出るかたいへん楽しみです。
そして、ヒロさんはベトナム語が話せるようになるために、もう一つやっていることがあるんですよ。
それについては、次回にお話ししますね。
By Hiro
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