【KAIZEN26】「7.測定指標の設定」

HKM講義

◆定義 前ステップで設定した「健康増進方向で、3カ月で、8%の標準体重オーバー率の低減」をするために設定した各実現子を『どのような指標で測定するか』を決めるステップです。

 

◆意義

実現子の実行は、具体的実現目標に影響を与えます。そして具体的実現目標値は改善目標数値の実現に影響を与えます。改善目標数値の実現は、問題の現状数値にも影響を与え、活動テーマの実現に影響を与え、当然に問題に影響を与えます。この関係が成り立つように⑥までのステップの因果関係を紡いできています。

この7のステップでは具体的実現目標の策定を達成する為に設定した実現子をどのように測定するのかを決めることによって次の8ステップがこれまでの7ステップまでとの因果関係を担保できることになります。

また、この指標の達成率を測定する事によって、改善策の実行度、効果、実現子の実効度=因果関係度、改善自体の効果を測定できるようになります。

なんか面倒な話の様に思われますが、言葉で書いているからです。実際にやってみると「あっ、こういうことね」ていどの話です。でも大切なことなのです。

迷ったらヒロ曼荼羅を確認してください。ここまでの話もこれからの話も全てヒロ曼荼羅を順番に説明しているだけですので。

 

◆実行方法

各実現子を観ながらどのような指標ならば測定できるかを考えます。

普通に常識ある人が考えたら「こんなことがあればあんなことが起こるよな。だからこんなことで測ったらいいんじゃない」と思われる程度で構いません。

 

◆具体例

ヒロ:鈴木さん。それでは実現子の測定指標を考えてください。

鈴木:一般的な指標でいいんですか?

ヒロ:もちろんです。一般的な指標で当然構いませ。足の速さを測るのならば「50m走のタイム」とか、水の使用の多寡を測るのならば「水道使用量」とか。

鈴木:「それならば『摂取カロリーを抑える』と言う実現子を測る指標は『カロリー摂取量』で測ります。『消費カロリーを増やす』と言う実現子を測る指標は『カロリー消費量』で測ります。

ヒロ:はい。それで結構です。

鈴木さん。ついでにそれらの実現子を測定する『別な』指標を考えてみてください。例えば、『摂取カロリーを抑える』と言う実現子ならば、『飲みに行く回数』とか『自炊する回数』とか。

鈴木:「じゃ、『消費カロリーを増やす』の実現子を測る指標として『ウォーキングの距離』と言うのはどうでしょうか?」

ヒロ:大変よろしいと思います。

飲みに行く回数であるとか、自炊する回数とかは、普通に考えれば飲みに行けばついつい飲みすぎ食べすぎるだろうな。それならば自炊した方が摂取カロリーは低いんだろうな。それならば指標になるな~、と一般的には因果関係があると考えれるものですね。

鈴木:「ヒロさん。ちょっと気が付いたんですが、ウォーキングの距離や飲みに行く回数って、実現子を『具体化する行動』

ヒロ:はい。そのとおりです。でもそれはもう少し後でお話した方が理解しやすいと思いますのでここでは、『この程度の因果関係で良いんだよ』と言うことを示す例としておきます。

それでは3つ目の実現子「毎日の摂取と消費の記録を残しておく」の指標を決めてください。

鈴木:「『期間中におけるデータ取りの実施率』と言うのはダメでしょうか? 毎日忘れずに記録できたかとか、ちゃんと決められた通りのデータが取れたか、とかの。」

ヒロ:いいですね。

それでは実現子それぞれの測定指標は「摂取カロリー数」「消費カロリー数」「期間中のデータ取りの実施率」の3つと言うことになりますね。

 

◆指標の現状測定

ヒロ:それでは最後にそれぞれ設定した指標の現状の数値を測定しておいてください。

1週間単位で良いと思います。それを基に1日分を算出しておきましょう。

スマートホンのアプリを使えば消費カロリーはもちろん、摂取カロリーも思いのほか簡単に計算できますね。「記録の日々の完全性」に関しての現状は「0」ですね。一週間後にお会いしましょう。

 

・・・・・一週間後。

ヒロ:鈴木さんこんちわ。指標の現状データはどの位でしたか。

鈴木:日曜日から土曜日までの7日間のデータを取りました。

1週間分の合計です。

摂取カロリーは「18,697キロカロリー」

消費カロリーは「17,801キロカロリー」でした。

1日平均で、

摂取カロリーは「2,671キロカロリー」

消費カロリーは「2,543キロカロリー」です。

「期間中のデータ取りの実施率」に関しての現状は「0」です。実際は感じをつかむために何日かはやっていますが。ゼロからスタートと言う事にします。

ヒロ:太らない訳はない・・・・ですね。でも平気です。HKMは最強です。

 

[1]ヒロ曼荼羅の「具体的実現目標の策定」から「改善策の策定」までの流れは、前に紹介した竹田先生の価値工学の手法と、慶応大学大学院教授野前野隆司先生のイネーブラーフレームワーク(システム×デザイン思考で世界を変える,前野隆司,日経PB社、2014,3)を参考に組み立てています。ヒロさんは、KGIBAなのでワークショップで勉強させていただきました。

つづく

By Hiro

【KAIZEN26】「7.測定指標の設定」” に対して1件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です