【KAIZEN24】「5.具体的実現目標の策定」

HKH講義

5.具体的実現目標の策定

◆定義

次の今までのステップで実行した工程の再認識をし、問題解決に向けて「⑥実現子の策定」で実現子が実現する目標を策定するステップです。

◆意義

改善の方向性と目的はどんなものであったか、その目的を達成する為にはどんな数値を、何時までにどうすればいいのかを再確認をすることは非常に大切です。このステップを通じてこの改善が何の為に必要だったのかを思い出し、改善により手に入れることができる具体的なベネフィット[1]を改めて認識する。そのことで、ここまでのステップが全て因果関係で繋がっている事を明確に認識できることになるとともに改善に1~4のステップで磨かれた「直感」を活用できることになります。

またこのステップはもう一つ重要な意味を持っています。それはこのステップの回答は、次の「実現子の策定」のステップを行っていくための「問題文」になっていることです。

次のステップから「解決策の立案」までステップは、自身が各ステップに対する「回答」であると同時に自身が次のステップに対する問題文となっています。ですからこのステップで問題文を提供しないと、次のステップは「回答」が出来なくなってしまうのです。この意味でもこのステップは前半と後半を繋ぐ重要な連結器[2]と言う「中間地点」と言うことができます。

**********トピック ****************

☆認知的不協和(にんちてきふきょうわ)

HKMが「楽しい」や「ワクワク」や「お気楽♪」が好きなのは、認知的不協和を発生させないための工夫でもあるんですよ。

認知的不協和とは人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えたときに覚える不快感のことを言います【出典:Wikipedia】。

つまり、改善すると自分や自分たちに良い事が発生し楽しくなる。でもいざ改善進めてみて、「改善は結構、困難そうだ。努力も必要そうだ」などのマイナス面を意識すると、不愉快になります。認知的不協和を感じたときに人間は不愉快を低減するため「簡単な方の認知を変更する」と言う事を人間はするのですって。つまり「問題は無かった」としてしまいます。するとこのHKMの本の代金が無駄になります。

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◆実行方法

「4」で設定した「改善目標」と「2」で決めた「活動テーマ」を使って、「問題を解決できた自分又は自分達」への賛辞を考えればいいです。

作り方はいたって簡単です。

まず「4」で作った改善目標数値と目標達成期限を確認します。

次に、「2」で作った「ワクワク改善テーマ」で活動の方向性と手に入れられるご褒美を確認します。

これらをキーワードとして

「自分又は自分たちの力で改善期限内に実現された結果、改善活動テーマが達成されたことは素晴らしい」と賞賛する文章を作るだけです。

このように「こんな方法で、期限、目標数値。達成した。その結果ワクワクの内容を手に入れた。私はエライ」と並べるだけで最低限は完成します。

 

◆具体例

ヒロ:鈴木さんこのステップは大いに意義の深いステップなんですが、具体的実現目標を

策定すること自体はいたって簡単です。

鈴木さんはこれまで行ったステップのつながりを覚えてらっしゃいますか。そしてこれから行っていくHKMのイメージを持ってらっしゃいますか。

鈴木:ハイ。事あるごとにヒロさんが「まとめ」をしてくれていますし、今後のことについてもこのステップの「意義」のところで前倒しで教えていただきましたのでよく理解しえいると思います。少し前に戻って見直した方が良いでしょうか?

ヒロ:いえいえ、それには及びません。私は結構しつこい、と言うか心配症と言うか、社員教育歴20年と言うか、またすぐに繰り返して説明をしますので、その時に確認してください。

ヒロ:それでは鈴木さんステップ5「具体的実現目標の策定」をしてください。

鈴木:「改善目標は“体重5kg減。標準体重オーバー率マイナス8%で27%です。期限は3カ月後です。」

ヒロ:ワクワク改善テーマはなんでしたか?

鈴木:「ワクワク カロリーのマイナス成長で健康ゲット!ついでに出世もゲットしちゃうぞ!」です。

ヒロ:改善目標を見事達成したご自分に対して最高の賛辞をおくってください。

鈴木:「よくやった・・・・」

ヒロ:もっと賛辞を送ってください。例えば、ノーベル賞並みの快挙だ!くらいの。

鈴木:「ノーベル賞まではいかないですよ。

すごいぞ!よくやった!」ではどうでしょうか。

ヒロ:鈴木さんは遠慮深い方なんですね。では、それらの語呂を合わせながら文書にしてみてください。

鈴木:こんな感じですか?

カロコンで3カ月後体重オーバー率8%改善。健康GET間違いなし。すごいぞ!よくやった

ヒロ:カロコンってカロリーコントロールのことですね。飾りは有りませんが、完璧ですね。

 

[1] :改善により手に入れることができるベネフィットは、改善の最終ゴールです。ゴールは距離と方法を持ちます。その意味で「改善テーマ」は問題解決行動の「戦略」であるとも位置づけられる言う事ができます。戦略策定の根拠はHKMでは「直感」です。

[2] :実はこのステップは、HKMの隠れた仕組みなんです。この仕組みは、20数年社内QCを指導してきた経験がなさせた仕組みなんです。

つづく

By Hiro

 

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