ベトナム語の部屋 1話「だからベトナム語なのです」

ベトナム語の部屋

第1話「だからベトナム語なのです

こんにちはヒロさんです。

ヒロさんはベトナム語の勉強をしています。3年前に初めて、本腰を入れて始めたのは2019年1月からです。

【ベトナム語のキッカケ】

初めてきっかけは、外国人技能実習生を職場に導入することになったことです。

外国人技能実習制度を簡単に言うと、発展途上国に日本の進んだ技能を提供すると言う「国際貢献」を達成するための制度です。

「技能実習生となった本国の人が日本に来て、実習を通じて日本の進んだ技能を修得して、本国に持ち帰る」と言うシステムです。

技能実習生が実習をする企業を「実習実施企業」と言います。

実習実施企業は「国際貢献をお手伝いする」という志の高い企業です。

と言うのは一応の建前で、本当は「人手不足の会社」です。

本当はヒロさんが働いていた会社も地域と職種によってはいくら求人をしても人手が集まらない会社でした。

2年間募集を毎月出し続けて応募があったのは5人だけ。入社は「0」でした。

そこてヒロさんは会社に提案し外国人技能実習生を導入しました。

導入に当たりヒロさんは自分で直接に面接をするためにベトナムに行くことにしました。

ベトナムに言っての面接は当然に通訳を通して行います。だから面接をするためにはベトナム語を話す必要はありません。

でもヒロさんは、ベトナムの人に敬意を示すとともに、これから技能実習生として異国の地に来る女の子たちに安心を与えたいとおもってベトナム語の勉強を始めました。

【ヒロさんベトナム語初体験】

面接会場。実習生の教育や渡航手続きを行う会社の人からヒロさんの紹介がありました。

「それではヒロさん。一言ご挨拶をお願いたします」という進行役の人の声に促されて、ヒロさんは立ち上がりました。(よし。最初にベトナム語で挨拶をしよう。きっと、喜ぶぞ)と思い、手元のカタカナで書いたメモに目を落とし、暗記した内容を確認しました。

「シンチャオ カッ バン」

「トイ ラ オオタマサヒロ」 (おお、調子いいぞ! 次は難しい奴だ。もうメモを見て読んじゃおう)

「ザッツ ブイ ヅック ガップ カッ バン」・・・・・場が静寂に包まれました。

0.3秒後。実習関係をコーディネートする機関のエライ人が、場を察して「おぉ~」と言う感嘆の声を漏らしました。

その偉い人の感嘆声に呼応して、実習生を送出す現地機関の社長さん(日本語が上手)が「おぉ~」と満面の笑みを浮かべました。

何が起こったのか? どんな反応をしたらよいのか? 戸惑った表情でお互いの顔を見ていた実習生候補20名の女の子たちに向かって、通訳の人が何かを言いました

実習生候補の人達は「ああ💡」という表情になって、笑顔になりました。

*上のベトナム語の意味です。「こんにちは みなさん」「私は太田雅浩です」「みなさんにお会いできてとてもうれしいです」。

【収穫】

ヒロさんのベトナム語はほとんど通じませんでした。30名の内3名くらいは「ヒロさんは何かべトナム語らしきものを話したのでは?」と言う表情をしていました(当然その子たちは採用しました【写真】)笑。でもほとんど通じませんでした。

あの通訳の人は実習生候補の人達になん言ったんでしょうかね。

たぶん、ヒロさんがしゃべったカタカナベトナム語をベトナム語に直して、「・・・・ってヒロさんは言ったと思うよ」とかなんか言ったんでしょうね。きっと。

「そんなに通じないの?」とおもうでしょう?

ヒロさんもそう思ってました。でもその後に実習生が打ち解けてきてから、凝りもせずにまたベトナム語を話してみたのですが、通じませんでした。

「言語」って音なんです。最初に文字があってそのあとに言葉ができたんでは無くて、言葉【音】が最初にあるんです。そして実際に発声される音には言語によって意味が有る音と意味が無い音があるんです。だから言葉が通じるためには、その言語が、意味を与えている音を出す必要があるんです。

例えば、音声としては「RA」と「LA」は違う音です。音を作る口の中の部分(調音点)も音の作り方(調音法)も違うので、明らかに異なる音です。でも日本人はどちらの音も「ら」として認識します。「rakuda」も「lakuda」も日本人は「ラクダ🐫」として認識します。

これは「RA」と「LA」と言う音には「意味の違い」が日本語には無いからなんです。だから「RA」と「LA」はお互いに「ら」と言う音の「異音」(いおん)と言う関係であり、でも所詮「ら」という音で「ら」と言う意味なんです。「R」と「L」の音の違いが分からないことは日本人が英語を話せない大きな理由の一つですね。ベトナム語でもこれは同じ事です。いや、ベトナム語にはもっとヤヤコシイことがあるんです。それは

母音の多さ」と「声調(せいちょう)がある」ことなんです

日本語の母音は5つですが、ベトナム語の母音は11個もあるんです。「a」「o」は3種類づつ、「u」は2種類あるんですよ。これだけ聞いても出す音がいっぱい必要だと分かっていただけると思います。でも日本人は「あいうえお」の5つの音にだと認識するだけです。

さらにベトナム語には「声調(せいちょう)」という「すべての単語に必ず決まっているアクセント」があるんです。6種類あります。これは1つのスペル、例えば「MUA」と言うスペルが6つの単語になると言う事です。

MUAの「U」に3つの母音の種類があって、これに6つの声調があると言うことはMUAと言うスペルには「18」の意味がある(「A」も音が2種類ありますので考えただけでも気が遠くなります)と言うことになります。別な言い方をすれば、最低でも18の使い分けができないと通じないと言うことなんです。

ヒロさんのカタカナベトナム語は通じるはずは有りませんね。

つづく

By Hiro

ps:アイキャッチはベトナムの国旗です。社会主義国はベースが「赤」なんですね。当然ながらベトナムにも国歌が有ります。ユーチューブでプロモーションビデオが見れますよ。日本字幕付きで。

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