聴ける人が誰もいない。
ひろさんです。
ひろさんは昔、そう中学生の頃、自転車を持っていました。
「シャイン・スター」と言う名前の自転車です。
シャイン・スターと言う名前は、ひろさんの持っていた自転車個体の
名前ではなく、メーカーが名付けた車体自体の名前です。
昔は自転車のテレビコマーシャルが頻繁に放映されていました。
メーカーは、あのブリジストンです。
シャイン・スターは、ドロップハンドル、10段変速のスポーツ車で、
最大の特色は、「オーバル・ギア」でした。
オーバル・ギアの“オーバル”とは「楕円形」と言う事でした。
自転車のペダル側のギアが楕円形でした。
これによって効率的に踏力を伝えることができる、との宣伝文句でした。
本当かどうかは文系の私には判りませんが、当時は納得していました。
でも、そのシャインスターが、何処に行ってしまったのかの記憶がありません。
壊れてしまったのか、盗られたのか。
色々考えてみるのですが、一切思い出せません。
中3の夏休みに、樋口君と言う友達と、早朝に待ち合わせて自転車で
出かけた記憶が最後です。
近所にいっぱい自転車が廃棄or放置されていた場所があって、
そこに部品を採りに行ったのです。
樋口君は3分ほど遅れてきました。
これほど憶えているのに、その後の記憶がありません。
高1の時には一切シャインスターには乗った記憶はないです。
夏から次の春までの9カ月間で、シャインスターはどこかに行きました。
誰にも訊くことができません。
シャインスターの顛末。
by Hiro