【KAIZEN28】「9.改善策の実行」
9.改善策の実行
◆定義
前ステップで考えた改善策を実行するステップです。
◆意義
活動テーマを実現することを常に念頭に置き、各ステップの繋がりを確認しながら具体的実現目標を立てました。そして具体的実現目標を実現できる実現子を考えました。そして次に、実現子を測定するための測定指標を考え、最後にその実現子測定指標を好転させえる改善策を考えました。前ステップまで細心の注意を払って因果関係を連鎖させてきました。
その結果現在、いわばドミノ倒しのドミノを「確実に前のドミノを倒すことができるように」並び終えることができている状態です。
あとは、あなたのその指で最後にあるドミノの背中をはじいてやるだけで、あなたが問題だと考えている事態・状況は間違いなく好転します。
◆実行の仕方
まず実行スケジュールを作ります。
作ったらそのスケジュールに従って実行をしてください。
スケジュールは指標好転行動=改善策ごとに作成します。好転策が5つあれば5枚のスケジュールが必要です。
スケジュール表の例を載せておきますのですので各項目を埋めてください。スケジュールを作る場合に必要な項目は以下の通りです。
①アクション名
②アクションを実行するための具体的なアクション
③具体的なアクションの順番と時期
④担当者
【図】
【スケジュール名】
NO | 具体的アクション | 担当者 | 1~15 | 16~30 | 1~15 | 16~30 | 1~15 | 16~30 |
1 | ||||||||
2 | ||||||||
3 | ||||||||
4 | ||||||||
5 | ||||||||
6 | ||||||||
7 |
*1~15、16~30は「日にち」です。ですので例のスケジュール表は3ヵ月分です。
◆具体例
ヒロ:鈴木さん。ついにここまできましたね。実行の仕方はいたって簡単です。まずスケジュール表を作成して、そのスケジュール表に従って行動するだけです。スケジュール表は、鈴木さんが策定した指標好転行動=改善策ごとに作ります。それでは考えてください。改善策の実行期間は明日から3カ月間にしましょう。
鈴木:私の改善策は以下の5つです。
①飲み屋に行く回数は可能な限り減らす
②かつ丼、ハンバーガー、鶏のから揚げ、ギョーザ、ラーメンセットは週3回から週2回にする。
③ビールを毎日1500ミリから一日1000ミリにして、休肝日を一日作る。
④ウォーキングを1週間に50,000歩する。
⑤食事摂取データは毎食、毎日とる。消費データも毎日とる。
です。この①から⑤まですべての実行スケジュールを作成するのですね。
ヒロ:はい。そうです。何かわからない項目はありますか?
鈴木:「指標好転行動を実行するための具体的アクション」について少し教えてください。
ヒロ:それでは「飲みに行く回数を可能な限り減らす」を例にして説明しましょう。
改善活動をする場合においては、現実には様々な制約や条件があると思います。
問題は全てが自分だけの意思や都合だけで発生している事は稀ですし、仮に100%自分の都合や意思だけで発生しているとしても、社会の中で改善活動をして行くとなると制約が発生してきます。それを無視して遮二無二改善活動をしたら今度は別な「問題」を発生させてしまうことになります。従って改善は現実的な制約条件を考えながら実行してくことになります。
「飲みに行かない」にしても自分の都合だけで行かないことができない場合があると思います。特に鈴木さんは営業部長さんですしお客さんの接待やお付き合いが多いと思います。またこれだけ飲みに行っていた人が急に行かなくなると「最近付き合い悪いね」とか言われ、仕事に支障が出るかもしれません。
ですので、私ならば最初に飲みに行く内容を分類し、断っても大丈夫なものと断れないもの、断りにくいものに分けます。
例えば、お客様との会食は100%行く。一人で行くものと、自分から誘って言っていたものは100%行かない。上司に誘われたら事情を話して50%行かない。同僚に誘われたときには事情を話して3回に1度だけ行く。部下との飲み会には50%だけ行く、の様に。
これを実行するためには、
①飲み会分類をする
②同僚、部下、上司への説明
③週間業務スケジュールの確認と自炊日の設定
④スケジュール進捗チェックの実施(日々)
という「4つの具体的アクション」が必要となります。
スケジュールではこのような具合に具体的アクションを考えていきます。
鈴木さん。練習に鈴木さんの改善策の具体的アクションのスケジュールを作ってみてください。
鈴木:「じゃぁ、『かつ丼、ハンバーガー、鶏のから揚げ、ギョーザ、ラーメンセットは週3回から週2回にする』をやってみます。
まず自分の都合だけでできるものと、できないものを分けて・・・」
ヒロ:鈴木さん。それはほとんどが御自分の意思だけでできそうなので、場合分けはしなくてもいいと思いますよ。
鈴木:「それじゃぁ・・・これを実行するには・・・・『チェック表を作って2回を超えないようにする』と言うのはどうでしょうか?」
ヒロ:「いいと思いますよ。因みにそれらの好物はほとんどがお昼ごはんで召し上がるのではないですか。それもラーメン屋さんで。鶏のから揚げは飲み屋さんでも召し上げるでしょうけど」
鈴木:「ご明察です。」
ヒロ:それならば、「ラーメン屋さんには週1回しか行かない」とするだけでかなり実現は楽になりそうですね。「月間昼食予定表」なんて作ったらいいかもしれないですね。
鈴木:なるほど。それは良いですね。それでは具体的アクション項目としては
①チェック表の作成
②月間昼食献立予定表作成
③チェック表によるチェック
にします。
ヒロ:よろしいかと思います。それでは後の項目はやっておいてくださいね。
進捗の日々のチェックは大事です。チェックによって達成感や痛みを感じることになり、スケジュールの実行が担保されます。
「ワクワク活動テーマ」を紙に書いて壁にでも貼っておくのも良いですよ。
By Hiro
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