第3話「技能実習生は日本語を話せないんです」」

ベトナム語の部屋

第3話「技能実習生は日本語を話せないんです」

 こんにちは ヒロさんです。

今日は少し外国人技能実習制度についてお話をしたいとおもいます。外国人技能実習制度については“さくらのまなび”のサイトのフロントべージでお話をしていますが、ここでは「ベトナム語」との関係を中心にお話をすることにします。

【彼・彼女たちは日本語を話せない】

技能実習生である彼女と彼たちは入国時には日本語がほとんど話すことができません。

「え!じゃぁどうやって仕事をおぼえるの?」って思うでしょう。

一番有力な手段は通訳を通しての説明です。でも通訳の人は入社日次の日の1日しか来ません。事前に実習生を斡旋してくれる組織の営業マンが「3日くらいは来る」って約束していても来ません。

仕事を教える2番目の方法は、見て覚えてもらうことです。

でもこれでは細かいことが一切伝わりません

ここに「実習生6ヵ月50%の法則」なるものが発生するようになります。この法則は、「実習生の作業効率は6ヵ月間は日本人の50%しかない」と言う法則です。

実習生を斡旋する機関を「監理団体」とか「受入機関」と言うんですが彼らは営業トークで自習生を斡旋する企業に言うんです。

「半年間日本語を朝から晩まで勉強するんで、ある程度は理解できるし話せるし、しゃべれる子はしゃべれます」って。

「ある程度」ってどの程度?

「しゃべれる子はしゃべれる」って当たり前だし、「しゃべれる」ってどの程度?

実習が始まって実習生が「ほとんど日本語を話せない」と言う実態が明らかになると監理団体の人は言うんです。

「1年たったらしゃべれる子は結構しゃべるし、ほとんどの子は日本語を聞き取れるようになるんですよ」って。

仕事をおぼえる「今」が一番日本語能力が重要なんですが。

 

【彼女ら彼らは何故話せないのか】

◆理由1

外国人技能実習生が日本の企業に入ってくるまでには、講習(座学)を480時間、訓練(座学以外)を160時間、合計で600時間勉強してきます。

講習の中の320時間くらいが日本語の勉強に当てられます。

日本語の講習で「授業」がある時間は大体三分の一くらいで、あとは「自習」であると思われます。

「自習」と言うのは、「授業以外に家に帰ってから自分でやる」と言うのではなく、「本日は先生がお休みなので、今日の3時間目は自習にします」という自習です。

320時間「講習」しなければいけないのですが、自習が3分の2あるんです。

 

ところで、みなさんは英会話できますか?

みなさんは最低で3年間、高校まで行くと6年間は英語の授業を受けます。授業時間数は中高それぞれ3年間で420時間程度です。420時間は授業時間で自習時間を入れて2倍として中学だけで840時間勉強します。高校まで行っているとすると840時間×2=1680時間学んでいます。

日本人で高校以上の学校を卒業している人の何パーセントの人が英語で日常会話ができるのですかね?

30%? 20%? 10%? 5%?

それを考えると技能実習生が日本語を話せるはずがないですね。

 

◆理由2

「並進可」

これの読み方と意味がわかりますか?

「へいしんか」と読みます。

意味は「自転車が並んで走って良い」と言うことです。

交通標識なんです。

全国に2か所だけあるそうです。

これをベトナムの「技能実習生を現地で募集し、日本に送り出す会社(送り出し機関と言います)」が運営する「学校」の「日本語の授業」の中で教えてました。

ビックリするでしょう?

漢字の書き順も練習していました。

送出し機関の学校の日本語の先生は「技能実習生の経験者」が成っているケースがほとんどです。ベトナムで教員免許を持ってるわけではありません。また、日本語教師の有資格者でもありません。ですから送り出し機関の日本語の先生は「日本語がある程度話せるべトナム人」と言うだけです。

教授レベルは「並進可」を教える程度です。

教え子が日本語を話せる訳はありませんね。

 

【日本語教師】

日本語教師ってご存知ですか?

日本語を日本語で外国人に教えるテクニックを持っている人達です。

「教える」内容は日本語を「話すこと」と「聞くこと」が中心です。もちろん読み書きも教えます。

絶対必要な知識は「日本語文法」と「音声学」と「教授法」です。

日本語文法と教授法が必要だってことは解りますよね。

音声学は何故?って感じがするでしょう?

 

「おはようごじゃいます」(おはようございます)

「仕事がきちゅいです」(仕事がきついです)

「滋賀いてきました」(滋賀けん(県)へ行ってきました)

外国の人が話す日本語でよく出てくる発音の間違いですね。

これを正しい発音に直すために音声学が必要なのです。

*上の誤用3例は何が原因で誤用になっているか、気になるでしょう?

ヒ・ヒ・ヒ~・・・・・教えない(笑)。(答えはこちら)

「日本語」で教えるっていうのは、例えば10名のクラスにアメリカ人が2人、中国人が3人、ベトナム人が2人、フランス人が1人、フィリピン人が1人、インドネシア人が1人いたとする英語、フランス語、中国語、ベトナム語、インドネシア語を最低でも話せないと授業ができないことになってしまうでしょう?

だから日本語で教えられなければ仕事にならないんです。

 

【ヒロさんの夢】

ヒロさんがベトナム語を勉強しているのは理由があります。

ヒロさんはベトナムに行って「さくらスクール」って言う学校を作って経営をしたいんです。

ヒロさんはベトナムの技能実習生候補の人や若い人ビジネスパーソンたちにHKMを中心とした本当に役に立つスキルや知識(日本語も)を教えてあげたいんです。

ヒロさんの「さくらのまなび」での活動はすべてこの夢のための活動なんです。

 

左の写真は岡本肇さんって言う人の「日めくり」を写したものです。有名な絵なので知っている人が多いと思います。

我が家ではヒロさんの奥さんが大のお気に入りで毎年カレンダーを購入しますし、この「日めくり」もあるんです。ヒロさんも大好きでこの絵をスマホの持ち受け画面にしているんです。

あきらめないから夢近づいて来る。

ヒロさんも頑張ります。

つづく

By Hiro

ps :本日のアイキャッチはヒロさんが使っているベトナム語の辞書です。収録語彙数は1万語くらいので、厚さは3㎝くらいです。お値段はなんと「8,000円」です。ヒロさんが知っている限りでは「日本では1番良い」ベトナム語の辞書です。

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