第4話「英語の知識がベトナム語のリスニングを邪魔するんです」
ベトナム語の話
第4話「英語の知識がベトナム語のリスニングを邪魔するんです」
「おはようごじゃいます」(おはようございます)
「仕事がきちゅいです」(仕事がきついです)
「滋賀けねいてきました」(滋賀けん(県)へ行ってきました)
こんにちは。ヒロさんです。
いきなり、ビックリしましたか?
ベトナム語の部屋の「第3話」の中でお話しした、日本語学習者の「よくある日本語の誤用」(間違って使うこと。文法や発音の間違)の答えを、忘れないうちに書いておこうと思って書きはじめました。
ヒロさんは、少し酔ってこのブログを書いている事が多いので、覚えているうちに前回のお話での約束を果たしておいた方が良いと思ってのことです。
でも、書いてみてわかったんですが、お約束した「誤用の解説」が「少しヤヤコシイ話」になってしまいました。と言いますのは、やはり解説をしようと思うと、国語文法を使ったお話になってしまいます。
「文法」、とくに小中学校の頃に国語の授業でやった「国語文法」って「おもしろくない授業ランキング第1位」じゃないでしょうか。
ですので、上の「外国の人が良くする日本語の間違い」に対する答えを長々とここに書くと、もうこのブログを読んでいただけないような気がしますので、上の誤用の答えは、別カテゴリー「日本語教師の部屋」を作って書く事にしました。ご興味がある方はそちらを訪問してください。
と言うことで、さっそく、第4話の題名についてのお話をすることにします。
みなさんは日本語は得意ですか?
日本語を母語としているみなさんは、得意かどうかを意識することも無いくらいに超得意であるはずです。なにせ日本語母語話者(ぼごわしゃ)ですので。ヒロさんも日本語母語話者なので日本語は超得意です。
では、英語会話はどうでしょう? 得意ですか?
英語を使って、「仏教とキリスト教の違いを1分間説明できる」、「学校におけるいじめ問題に対するコメントを1分間言える」くらいのレベルならば、かなりの上級者であると思います。
ヒロさんの英語は初心者程度です。
一人で国外旅行に行って、食事をして、お土産を買って、観光して日本に帰国できるくらいのレベルです。もちろん英語で世間話などしない(挨拶くらいしかできない)で帰ってきます。
この程度のヒロさんでも、やはり「外国語」と言うと「英語である」と頭が勝手に反応するんです。
ベトナムに行ったとしても、「外国=英語」と言う条件反射を頭がしてしまい、ベトナム人に英語で話しかけてしまうのです。
この「日本語が得意であること」と「外国語=英語」と言う条件反射的脳の反応」が、ヒロさんのベトナム語のリスニングの練習を邪魔してしまうんです。
ベトナム語のヒヤリングをしていると、ベトナム語の中には、日本語や英語と大変似ている単語が出てきます。その日本語や英語に似ている発音のベトナム語を、脳が日本語や英語だと判断してしまうんです。
「Khi」この単語は、ベトナム語で「ヒィ」と発音します。意味は「時(とき)」です。「○○した時」という「時」です。
「ご飯を食べた後(後の時)」、「寝る前(前の時)」「子供の頃(時)」「家に帰った時」「寝ている間(間の時)」「何時(何時の時)」みたいに使用します。
この例でも分かるように大変幅広く使われる表現です。
ですのでベトナム語をリスニングしていると「Khi」という単語がしょっちゅう聞こえてくるんです。
でもこの「Khi」を、英語の「HE」だと脳が判断するんです。
ヒロさんは英語が得意じゃないので、余計に「よく知っている」英単語であるHEに過剰反応するんだと思います。
この他にもたくさんあります。
Anh ấy これは「アイン アイ」と発音します。意味は「彼」です。
chị ấy これは「チィ アイ」と発音します。そう、意味は「彼女」です
この「アイ」が、英語の「I(アイ)」に聞こえます。
「アイン アイ」と「チィ アイ」はセットなんだから大丈夫の様な気がするでしょ?
確かにセットなんですが、このセットの「アイン」と「チィ」は実は単独で使われるんです。
そして、頻度的には「アイン アイ」「チィ アイ」よりも高い頻度なんです。
しかも両方とも、主語になりますので「文頭」に置かれることが多い単語なんです。英語と同じように。
Anhは「あなた」と言う意味で、男性を呼ぶときに使います。
Chịは「あなた」と言う意味で、女性を呼ぶときに使うんです。
と言う理由で、ヒロさんの英語の知識がベトナム語のリスニングを邪魔するんです。
第2言語の学習をしている時に起こる子様な現象を他言語からの「干渉」と言うそうです。
この干渉は、良い方向に干渉する場合も、悪い方向に干渉する場合もあるそうです。
ヒロさんの場合には悪い方向への干渉例です。
さあ、この第4話を投稿したらKHIとấy への干渉とまた格闘します。
では、また。
By Hiro
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