【KAIZEN33】「13.今後の課題」

HKM講義

13.今後の課題

◆定義

このステップは、「評価と反省」のステップで確認した『評価』のさらなる上積みと『反省』の埋め込みを今後どのようにしておこなっていくかを考えるステップです。

 

◆意義

このステップは2つの大きな意義を有しています。

1つは経験学習サイクルを実現するという意義です。先に少し説明したコルブの経験学習サイクルは、ぐるぐると学習サイクルを回しながら経験を積み、技能を修得するセオリーです。回すためには「回し方」と、修得する技能に合わせた「回す方向」が必要です。問題解決スキルの修得するための回し方と回す方向を考えるのがこのステップの持つ一つ目の意義です。

2つ目の意義はデリバレイト・プラクティス(この概要とHKMとの関係については『総論2』で詳しく説明をしています)[1]を実現すると言いう意義です。HKMは「問題解決の達人」を目指しています。これを実現するために取り入れているのがデリバレイト・プラクティスです。デリバレイト・プラクティスは少しずつプラクティスのレベルを上げながらプラクティスを繰り返すことが重要です。[2]すなわちデリバレイト・プラクティスもコルブ経験学習サイクルと同様に学習を回す事が必要であり、且上昇スパイラルを描くように回す必要があるのです。このステップでデリバレイト・プラクティスとなるような上昇スパイラルのさせ方を考える、という意義も持っているのです。

このステップはHKMでは大きな関心があるステップです。

この2つの意義は、この『今後の課題』で検討した内容が、次回実施するHKM活動の様々なステップに影響を与えることを意味しています。難しい話ではありません。今後の課題で考えた内容が「次回のHKMとの同一性を保つ役割、因果関係を繋ぐ役割を担っている」と言う事です。ヒロ曼荼羅の『今後の課題』から、次回のHKMに伸びている矢印付の誘導線はこの事を示しています。

具体的には以下の通りです。

1)今後の課題全体⇒次回の問題の明確化・問題定義に影響を与えます。

2)今後の課題・指定行為「①」の「必要がある」を実現する具体的アクション⇒問題の明確化・どうやったらその問題は解決すると思いますか?の質問枝。

3)今後の課題・次回成果目標の設定⇒改善目標策定。

言われてみれば当たり前なんですけど。

【図を挿入】上記1)~3)の関係。

 

◆実行方法

今までのステップと同じく、このステップに用意されている質問に答え指定している行為をするだけで実行できるようになっています。

 

◆具体例

ヒロ鈴木さん、これが最後のステップです。このステップは、今回のHKMを使った改善 活動と次回のHKMを使った改善活動を繋ぐ連結器の役割を果たします。只連結すればいいというものではなく、先に説明をしたように、問題解決と言う技能に関する「経験学習サイクル」と「デリバレイト・プラクティス」の要件を充たすように連結しなければなりません。

でもそれは難しいことではありません。今まで通り、ヒロ曼荼羅にそって進めて行けばいいだけです。そういう意味ではお気楽にできるのですが、しっかりと考えていく必要がある重要なステップです。では、鈴木さんよろしくお願いします。

鈴木: 「はい、分かりました」

ヒロ:「評価と反省」のなかで、最も向上させたい、又は修正したい事項を一言集約してください。「〇〇〇〇・・・・・〇する必要がある」と纏めてください。』(指定行為1)

鈴木:「実現子の策定に関して、なんと言うか、一生懸命でなかった様な気がします。別になげやりと言う訳ではなかったのですが、『問題解決するぞ‼」と言う事にフォーカスしたのではなく『自分が分かる事。自分ができる事』にフォーカスしていました。初めてなので不安はありましたし、HKMがここまできちっとしたシステムだとは知らず、半信半疑でした。「少し試してやろう」みたいなところもありました。

評価と反省でも言った事なんですが、『摂取と消費の記録を取る』と言う、他の『摂取を減らして消費をあげる』と言う実現子に比べたら何の力も無さそうな実現子が、改善に大きく貢献してくれました。あの実現子は、なんか子供を見守ってくれている母親の様なものでした。次のHKM活動をする場合に私にそのようなことを考えられるかはわかりませんが、ヒロさんは改善にコミットしている度合いが違うので思いつくのではないかと考えました。

そこで次回のHKMで私がやるべき課題は、

『力ある実現子を作る必要がある』にします。

ヒロ: 褒めて頂いて光栄です。鈴木さんがそのように考える至ったのは、鈴木さんが達人への道を歩いていっている証拠だと思います。そして、今回の実現子の策定は、あれはあれで意義があったと思います。HKM「最後まで終了する事」に一番の関心がある問題解決スキルですから、サラッと済ますことができることは悩まないでサッサと終わらせるととは重要なんです。

ヒロ:『指定行為1』の「必要がある」を実現するための具体的アクションを考えてください』(指定行為2)

鈴木:「問題解決にフォーカスする事」です。

ヒロ: これから鈴木さんにする、最後の質問である「質問3」は、「同じ問題を引き続きHKM活動する」と言う本来の形を前提とするものです。ヒロ曼荼羅で今回のHKM活動から第2巡目のHKM活動に誘導線絵が入っているのはこれを示しています。ですから最後の質問である「質問3」は、今回の様に1回=1巡目で問題が大方解決し、この問題での改善は終了する場合には直接当てはまりませんが、質問の趣旨から考えてください。

ヒロ:質問3をします。『次回のHKMの成果目標』はいくつですか。

鈴木:次回のHKM活動をするときの成果目標は、「達成率90%」を目指します。

 

ヒロ: 最後の最後に、『評価と反省』『サクッと歯止め』『今後の課題』について、『評価と反省』で作った清書用紙に清書をしてください。

清書に終了日である本日の日付と、何回目のHKM化を書いておいて下さい。今回はBASICヒロ曼荼羅の1巡目で終わりましたので「1回目」と書きましょう。

次の例題はヒロ曼荼羅2巡目と三巡目を使いますので、次の例題が終了した時点で「3回目」と書くことになります。

以上ですべて完了しました。鈴木さんありがとうございました。

鈴木:はい。どうもありがとうございました。人生が変わるような気がします。

[1] :HKMでは総論部分を2分割してしましました。HKMの理論面については「いきなり各論の後に来る「総論2」の内容になっています。HKMは当初は普通に「総論」が終わってから「各論」になる普通の構成でしたが、「コース選択の自由」に資するために、本当にあとから分割した結果です。でもご安心ください。テレビを作ることはできなくてもテレビは見ることはできます。お気楽♪でしょ?

[2] :学習理論に最近接発達領域理論と言うものがあります。新たな学びは、現在「一人でできる」領域(i)を基盤として、教師や上級者の手を借りれば処理ができる領域(iに最近接している領域)で起きるというものです。公式的には「i + 1」で表されます。この点からも納得ができる話ですね。

つづく

By Hiro

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