【KAIZEN22】「3.問題の現状把握」

3.問題の現状把握

◆定義

問題の現状把握は、問題と思っている事態・状況についての「現状」を数字によって明らかにする、そして発生させている原因を考えるステップです。

現状把握とは普通の言葉で言うと「分析」のことです。分析と言うのは、「事態・状況を分解して、それらを成立させている成分や要素等を明らかにする」ことです。このように定義するとなんだかヤヤコシイ感じがします。HKMを行うみなさんの好みや、クライアントに何らかのプレゼンをするような場合にはヤヤコシイ分析をしても構いませんが、HKMではヤヤコシイ事はしません。HKMの「問題の現状把握」は「お気楽♪分析」です。「こんな感じかなぁ」ていどの分析でオーケーです。

 

◆意義

「2.ワクワク活動テーマの設定」で問題を解決する方向と問題を解決したら手に入るご褒美を決めました。

ご褒美を手に入れるためには問題を解決するための方向性を実現する問題解決活動をしていく必要があります。問題解決の方向性としては通常「弱みを克服する」「強みを活かす・作る」でしたね。そしてこの弱みの克服、強みの活用・創作は敵=問題の現状を知らないと、「何時までの」「どのような」「どの位」と言う具体的なものを考える事ができません。つまり活動テーマを改善として実施していくためにはまず「敵」を知ることが必要です。

この現状把握のステップは「ステップ1」で「コトバによって明確になった問題」を更に具体化するために「数値によって」明確にするためのステップと言うことができます。数値化できないものは改善しにくいのです。[1]

 

◆実行方法

ステップ1で「言葉として」明確になった「問題」を測定するための指標を考えて、現状の点数を確認するだけです。

その方法ですが、ステップ1の問題の明確化で「問題があるとどんな不都合があるの?」に対する「答え」を、数値として把握する事によって現状把握とすると簡単です。「問題」と問題によって発生している「不都合」は原因と結果の関係に有りますのでどちらを数値化しても問題ありません。初心者の間はこの方法がシステマティックであり、よりお気楽なのであススメです。

 

◆具体例

ヒロ:鈴木さん。質問します。

質問:問題を発生させている原因は何だと考えてますか?

鈴木:それは私の不摂生(ふせっせい:健康に気を付けない事)だと思います。

ヒロ:もう少し具体的に言うとどういう事でしょうか。

不摂生を構成している内容です。

鈴木:飲みすぎ、食べすぎ、食事の偏りと運動不足です。

ヒロ:分かります。私も同じような理由でこの体形です。

でも、どうしてそれらが原因だと分かるんですか?

鈴木:どうしてって、それは一般的に肥満の原因はこんなもんだし、私の生活を考えるとこれが主な原因です。良く同僚ともそんな話をしますし。不摂生がもとで亡くなった人とかの話もしますし。

ヒロ:よく知っていて、多くの経験がある事柄については、直感がはたらくのですね。そういう意味で直感は多くのデータに基づいているものであり物事を判断する時には頼りになる武器になります。

達人と言うのは直感で行動すると言われているのですよ。

鈴木:へ~。そいうなんですか。そういう意味では私も「メタボの達人」ですかね。

「直感で太るも食べものが解る」とか「好きなものを選ぶだけで全部太る食べ物を選ぶことができる」みたいな。

ヒロ:あまりうれしくない達人ですね。

ヒロ:鈴木さん。次の質問です。今、鈴木さんが考えた問題発生の「原因」から問題が発生しています。それでは、問題があるとどのような不具合が発生するんでしたっけ?

鈴木:「定年まで体がもたない可能性がある。あっ、働けなくなって、生活ができなくなる、のほうでしたかね」

ヒロ:どちらでも大丈夫です[2]。鈴木さんが考える方で結構ですよ。では、最初に鈴木さんが選択した方にしましょう。お気楽♪に行きましょう。

それでは、「定年まで体がもたない可能性」はどんな指標で測定しますか。「1つ」だけ指標を設定してください。

鈴木:え~私は医者ではないんで、体がもたない可能性をどうやって測るかと言われても困るんですけれど・・・」

ヒロ:大丈夫です。鈴木さん自身がどんな方法で測るか、と言うだけで別に医学的な測定では無くてもいいんです。もちろん医学的な測定方法でも構いません。考えてみてください。鈴木さんに定年までもたないと言ったのがドクターであったとしても、それは厳密な意味でいったのではなく、ただ一般論として、可能性としていっただけです。ドクターでもその程度ですから、私たちは厳密に医学的な測定を必要とするわけではありませんし、医学的な測定である必要さえありません。もちろん、鈴木さんが健康診断で貰った検査結果の数値でも良いですし、その方がやりやすいと思います。

そもそも現状把握で行う数値化は、結局は改善 の効果を測るための目的にしか使いません。真正性(しんせいせい:正しいこと。間違っていないこと)が堅いに越したことは有りませんが、「とりあえず改善 前後の差の変化が測れれば」良いのです。HKMではここはお気楽♪に行って良いステップなのです。

何事も経験です。今回は鈴木さんの本意ではないでしょうが、鈴木さんなりの何等かの指標にしてはどうでしょうか。

鈴木:「たとえば?」

ヒロ:「50m走のタイムと走った後の心拍数」とか

ステップ①においてご自分で言ったいた「標準体重と現状体重の差のオーバー比率」みたいな感じですかね。

鈴木:「じゃ、それにします。オーバー比率の方。」

ヒロ:「・・・鈴木さん。お気楽♪になってきましたねー💦」

ヒロ:「問題の現状を測定する前に今までの話の流れをここで少し整理してみましょう。

飲みすぎ、食べすぎ、食事の偏りと運動不足という言う『原因』のせいで、健康を害するくらい太っている、と言う『問題』が発生し、その問題があるため、定年まで体がもたないと言う『不具合』が発生しているのでし

そしてそれらを測定するための指標は『標準体重と現状体重の差のオーバー率』でしたね。

ヒロ:では鈴木さん「問題『健康を害するくらい太っている』の測定指標は決まりました。それではその測定指標で測った場合、鈴木さんの『標準体重と現状体重の差のオーバー比率』はいくつですか?」

鈴木:「35%オーバーです。」

あの~ヒロさん。この「35%オーバー」が「問題」なのでしょうか。つまり問題と言うのは「目標」と現状の差のことですよね。私の場合、標準体重が「目標」と言うことになるんでしょうか?

ヒロ:そうしても良いですけどそうしなくても良いです。

鈴木さんの場合たまたま「1.問題の明確化」のステップで標準体重の話が出てきたので「現状」を測定すると標準体重との「差」が測定できたと言うだけです。

通常は次の「改善目標の策定」で策定される「改善数値」が「目標」となるので問題である「差」は現状数値と次のステップで作る「改善目標」との「差」になります。

鈴木:分かりました。ほっとしました。

[1] :数値化できなと計測ができないので改善できたのかどうかわからないし、改善として具体的行為が定まらないからです。友達との関係や日中関係の改善も数値化が必要なのです。

[2] :いろいろな意味で大丈夫なのです。例題の様に原因と結果の関係になっているものは、1つの物事の発生に関する「時間の流れの初めの方と後の方」というだけで、いずれに手を打っても変わりはありません。また、HKMは3巡するので結局はすべてを取り込めるのです。

つづく

BY Hiro

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